はじめに:なぜ今「眼精疲労」が増えているのか?
スマートフォンやパソコンの普及、テレワークの常態化により、目を酷使する時間は年々増えています。現代人にとって、「目の疲れ」はもはや日常の一部かもしれません。しかし、その「疲れ」が単なる一時的なものではなく、休んでもなかなか取れない、頭痛や肩こりを伴うようになった時、それは「眼精疲労」のサインかもしれません。
眼精疲労は放置しておくと、集中力の低下、自律神経の乱れ、睡眠障害、うつ症状の悪化など、全身に波及する深刻な不調につながることがあります。
この記事では、現代医学と東洋医学の視点から眼精疲労の原因と分類を丁寧にひも解きながら、なぜ鍼灸が根本改善につながるのかを詳しくご紹介します。
1. 眼精疲労とは?医学的な定義と分類
1-1. 眼精疲労と「眼疲労」は違う?
目の疲れには、以下の2つがあります。
- 眼疲労(がんひろう):一時的な目の疲れ。休息や睡眠で回復する。
- 眼精疲労(がんせいひろう):目の疲れが慢性化し、休んでも改善しない。頭痛や肩こり、吐き気などの全身症状を伴う。
「最近、目が疲れやすい」と感じる方の中に、すでに眼精疲労が進行しているケースは少なくありません。
1-2. 現代医学における眼精疲労の主な原因
- 調節異常:ピントを合わせる筋肉(毛様体筋)の疲労。特に近くを見続ける作業で起きやすい。
- ドライアイ:涙の分泌量や質の低下によって目が乾きやすくなり、痛みや疲れを引き起こす。
- 眼疾患:老眼、近視、斜視、白内障、緑内障など。
- 眼鏡・コンタクトの度数不適合:合わない矯正具は眼精疲労を加速させます。
- 自律神経の乱れ:ストレスや不眠が関与し、目だけでなく全身症状を伴うことも。
2. 東洋医学から見た眼精疲労:五臓との関係
東洋医学では、目は単独の器官ではなく、「肝・腎・脾」などの内臓の状態を映し出す窓と考えます。
2-1. 肝の不調と目の関係
「肝は目に開竅(かいきょう)する」という考えの通り、肝の機能は目の健康と深く関わっています。
- 肝血の不足 → 目の乾燥、かすみ目、疲れ目
- 肝気の滞り → イライラやストレスとともに目がしょぼしょぼする
2-2. 腎の衰えと老眼・疲れ目
東洋医学では「腎は精を蔵す」とされ、加齢や過労により腎精が消耗すると視力低下や老眼、目のかすみに関与すると考えます。
2-3. 脾虚と倦怠感・集中力の低下
脾は「気血を生む源」。脾の働きが弱まると、気血が十分に目に届かず、疲れやすさやぼんやり感の原因に。
3. 現代人の生活習慣が招く眼精疲労の背景
3-1. ブルーライトとサーカディアンリズムの乱れ
スマホやパソコンから出るブルーライトは、網膜へのダメージだけでなく、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌抑制にも関わります。これにより、自律神経のバランスが崩れ、眼精疲労が悪化します。
3-2. 姿勢の問題と首・肩こり
猫背や巻き肩などの姿勢の崩れは、首や肩の筋肉を緊張させ、目の血流を低下させます。眼精疲労を訴える方の多くは、首〜肩の筋緊張を伴っています。
4. 鍼灸による眼精疲労へのアプローチ
4-1. 鍼灸はなぜ眼精疲労に効果的なのか?
鍼灸は、目の周囲だけでなく全身の「気・血・水」の巡りを整え、自律神経を調整し、深部の筋緊張を緩める効果があります。
以下のような症状を同時に改善へと導くことができます。
- 頭痛、首・肩こり
- イライラ、寝つきの悪さ
- 目の乾き、かすみ目、眼精疲労そのもの
4-2. 東洋医学的アプローチ:体質別に治療方針を変える
肝血不足タイプ
- 主な症状:目の乾燥、疲れ、立ちくらみ、生理不順など
- 治療方針:血を補うツボや施術を中心に
肝気鬱結タイプ(ストレス由来)
- 主な症状:目の奥の重さ、イライラ、不眠など
- 治療方針:気の巡りを整える、リラックス効果を重視
腎虚タイプ(加齢・疲労)
- 主な症状:老眼、目のかすみ、疲労感、耳鳴りなど
- 治療方針:腎のエネルギー(精)を補う
4-3. 美容鍼との相性も抜群
目の周囲への微細な鍼(美容鍼)は、眼輪筋の緊張を和らげ、血流を促進し、クマやくすみ、むくみの改善にもつながります。美容目的だけでなく、眼精疲労の軽減にも非常に有効です。
5. 当院での眼精疲労への対応例
ケース1:デスクワーク中心の40代男性
- 主訴:目の疲れ、首肩こり、集中力低下
- アプローチ:頚部〜肩甲帯の筋緊張を緩める施術+目周囲の美容鍼+自律神経調整
- 結果:3回の施術で目の疲れ軽減、仕事中の集中力向上
ケース2:40代女性・更年期による目の不調
- 主訴:目の乾燥、かすみ、眠りが浅い
- アプローチ:腎虚タイプへの全身調整+肝血を補う施術
- 結果:5回の施術でドライアイ改善、睡眠の質も向上
6. 自宅でできるセルフケアと予防法
6-1. 目の温熱ケア
ホットタオルや市販のアイマスクで目元を温め、血流を促進。
6-2. 20-20-20ルール
20分に1度、20フィート(6m)先を20秒見る。眼の調節機能を休める習慣に。
6-3. 姿勢の見直しと軽いストレッチ
長時間座っている時には、肩甲骨を動かすストレッチや呼吸法で血流を改善。
まとめ:目の疲れは全身のサイン。放置せず、早めのケアを
眼精疲労は単なる目の問題ではありません。自律神経の乱れ、ストレス、内臓の疲労など、全身の不調を映し出す鏡でもあります。
鍼灸は、局所的な症状の緩和だけでなく、根本的な体質改善に向けた治療が可能です。
目の疲れが慢性化している方、睡眠の質が落ちてきた方、日々の集中力が落ちてきたと感じる方は、ぜひ一度当院の鍼灸治療を体験してみてください。
あなたの“目の快適さ”を取り戻すお手伝いを、全力でさせていただきます。
ご予約は下記から
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